尿失禁について

[2009/12/10]

おしっこが漏れてしまうことを尿失禁といいます。尿失禁は男性より女性に多く、年をとるごとにその頻度は増加しますが、若年者でも意外と多いようです。尿失禁をおこす原因はいくつかあります。①腹圧性尿失禁(おなかに力をいれると尿がもれる)、②切迫性尿失禁(急におしっこに行きたくなってトイレまで間に合わない)、③溢流性尿失禁(尿が出にくいため、膀胱が充満して尿があふれ出す)の3つが主なものです。若いころの尿失禁は腹圧性が比較的多いのですが、高齢になると切迫性の割合が増えてきます。これらを見分けるためには、年齢や性別はもちろんのこと、どんなときにもれるか、もれる前後に痛みや残尿感はあるか、現在服用している薬や今かかっている病気などを知ることが参考になります。

たとえば、切迫性の場合にはトイレではないところで膀胱が収縮するためにおこる失禁ですので、膀胱の力を緩める薬が有効ですが、溢流性の場合は膀胱から尿が出ないことが原因ですので、膀胱の力を強くする薬が必要です。つまり切迫性の時と溢流性の時はまったく反対の作用の薬を服用しなければなりません。当院では詳しくお話を伺うことから始め、必要に応じてすぐに尿の検査や超音波検査、血液検査を施行します。治療には一般的な薬に加え、時には漢方薬も併用します。

おしっこが漏れてしまうことで悩んでいる方は非常に多いのが現状です。しかしながら、おしっこのことなので恥ずかしいと思い、泌尿器科にかからない人も多いようです。当院では泌尿器科だけではなくさまざまな診療を行っておりますので、ぜひご相談ください。